マッサージ治療の後に

増田雄一(ますだ ゆういち)
1961年生まれ
アスレティックトレーナー、鍼灸マッサージ師
陸上競技を中心に、スポーツ選手のサポートにあたる
株式会社ミズノのトレーナーを経て、2001年より、リニアート
リニアート・スポーツ・コンディショニング・サポートでは、スポーツマッサージを中心とした治療、アスレティックトレーナーの派遣、パーソナルトレーニングなどが行われています。
今も第一線で活躍するトレーナー、増田雄一氏は、現在、治療の面から、スポーツ選手や一般の方のサポートにあたっています。
治療院では、フォームローラーをどのように活用しているのかについて、お話を伺いました。


治療院でのフォームローラーの活用
「私は、マッサージ治療の後に使うことが多いです。中長距離を走る陸上競技選手に多いのですが、練習で長時間走っていますので、背中まわりや肩甲骨間に痛みが出ることがあります。この部分が張っていると、呼吸が苦しく感じられることもあります」。
通常、自分でできるコンディショニングとしてまず挙げられるのがストレッチですが、「背中まわり・肩甲骨間部の筋に対する有効なストレッチは、なかなかありません」と増田氏。

「例えば、手を胸の前で合わせ、背中を丸めながら前方に伸ばすというストレッチ、あるいは頭を下に向けるというストレッチがあることはあるのですが、膝を曲げて太ももの前を伸ばした時ほどのストレッチ感は得られません。おそらく、いろいろな筋肉が重なっている部位だからだと思うのですが、既存のストレッチでは効果が薄いようです」。

「マッサージでも、集中的に手を入れることがあるのですが、この背中回り・肩甲骨間に関しては取りきれないことがあります。この部分を、ストレッチしてもらうためにフォームローラーに乗ってもらっています。マッサージで全体をほぐして、それでも残っている硬結(ダマになったようなしこり)を伸ばしてやるような感じです。実際には、基本エクササイズの『小さな揺らぎ運動』などの非常にベーシックな部分でしか使っていませんが、ちょうど肩甲骨間部がストレッチされてよいようです」。


面白いツール
さらに、多くの選手を見てきた経験から、このように話しました。
「長時間前傾姿勢をとる長距離スケート選手にも、このようなマッサージとフォームローラーエクササイズを組み合わせる方法が有効です。フォームローラーというのは、使い方にバリエーションがありますので、面白いツールではないでしょうか。こういう使い方がある、というのをもっと知ることが出来たら面白いでしょうね」。

日本では独自の発展を遂げそうなフォームローラーエクササイズですが、まだまだ試行錯誤の段階にあるようです。
当サイトでは、こうした試行錯誤も含め、お伝えしていきます。

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