フォームローラーをピラティスで活用 |
「インヘイル(inhale、吸って)、エクセイル(exhale、吐いて)」 インストラクター石川英明氏は、指示をしながら、クライアントの姿勢や力の入り具合をチェックしています。 時々、「締めてない、締めてない」と筋を叩いたり、指先で触れながら、筋の収縮を意識させ、姿勢を維持させます。 ピラティススタジオ・インナーワークを運営する石川氏は、ピラティスの指導にも、フォームローラーを活用できると言います。 脊柱の動きを意識させる 「ピラティスエクササイズをさまざまな身体状況に適応させる為に、いくつかのサポートを用いる訳ですが、その中でもフォームローラーの活用度は非常に高いとされています。 マット、あるいはリフォーマーでのエクササイズでも、フォームローラーを使うと、脊柱を意識しやすくなり動き自体の効率が高まります」。 円柱形をしているフォームローラーを、縦にしてその上に乗る、その場合は、背中全体がつかないので、脊柱を意識しやすくなります。 すると椎骨1個1個の動きに意識を傾けることができるそうです。 これは、平面上では意識することが難しい部分になりますが、比較的不安定な曲面上でエクササイズすることによって、身体感覚として捉えやすくなります。 「ピラティスは、常に脊柱の配列に意識を傾けながら、心と体で対話しながら行うエクササイズであると考えています。骨が動けば、自然に筋も必要なだけ働くのです。このようにピラティスを続けていくと、体自体が本来の自然な状態に戻っていくため、非常に良好なコンディションに導くことが可能です。『体がエクササイズに吸い込まれていく』とよく言われます」とのことで、クライアントの継続率はほぼ100%だそうです。
「現在運動をしている人々のほとんどは、激しく動いて消耗する『エクササイズ』に、疲れてきているのではないでしょうか。ピラティスは、鍛えるという発想ではなく、整えるという概念から存在します。常に自分の体に気付きを持ち、姿勢や動きから緊張を取り除いていき、最終的には身体を気持ちいい状態に戻す、というものです。きちんと伝えていくことで一過性のブームに終わらせるのではなく、多くの人に知ってもらい、生活に取り入れて欲しいと思います」と石川氏。 フォームローラーは、ピラティスというエクササイズ体系の中でも、使い方次第で活用方法があります。 シンプルな形だけに、多種多様なエクササイズが考えられます。 |