基本プログラム |
日本コアコンディショニング協会の一般向け講習会で紹介されている基本プログラムです。 ここでは同協会の用語に従い「ストレッチポール」と呼びます。 *基本プログラムの内容は、同協会監修のテキスト『「背中のストレッチ」で肩・腰・背中をスッキリ!』をもとに取材内容を若干付け加えたものです。 (1)セルフコアチェック 効果判定のため、運動前後でチェックを行います。 自分の身体の可動範囲、筋緊張などを自覚しておきます。 ●立位でのチェック 体幹の前屈・側屈・回旋、頭部の動きとして、右を向く、左を向く、右に倒す、左に倒す、上を向く、下を向く、といった動作でチェックします。 ●背臥位(仰臥位)でのチェック 上肢:右腕を前から上に挙げる、左腕を前から上に挙げる、右腕を横から挙げる、左腕を横から挙げる動作でチェックします。 下肢:右膝を曲げる、左膝を曲げる動作でチェックします。 首と床の浮き具合、肩と床の浮き具合、肩甲骨の向き、腰と床の浮き具合、背中、お尻の接地の具合を確認します。 (2)基本姿勢 ストレッチポールに頭からお尻まで縦に乗ります(背骨の下にストレッチポールがくるように)。 安定するよう、膝を立てて肩幅くらいに両足を開き、足の裏は床につけます。 腕はやや広げた感じで、手のひらを下にした状態が安定しやすくなります。 最も安定し、かつリラックスできる状態にして、ゆっくりと深呼吸し、胸が開き、肩や肩甲骨が両サイドに落ちていくようイメージします。 眼は閉じてもよいし、開けたままでもかまいません。 初めは眼を閉じると怖がる人がいるので、その場合は開けたままにします。 (3)胸のストレッチ 基本姿勢から、両腕を肩の位置まで広げて、手のひらを上に向け、大きく呼吸しながらリラックスします。 呼吸時の吸い込みが楽になった感じ、胸が大きく開く感じをイメージします。 (4)股関節のストレッチ 基本姿勢から、足の裏を合わせ、膝が外側に倒れるようにしてリラックスします。 30秒から1分くらい静かに呼吸しながら股関節を広げます。 下肢に何か違和感があれば、できる範囲にとどめます。 足の位置を下げれば楽になるのなら、それでもかまいません。 (5)対角ストレッチ 基本姿勢に戻り、そこから右腕と左脚をゆっくり伸ばします。 こうして対角に身体を開くイメージと、伸ばした脚のお尻の筋肉がゆるんでいくのを感じるようにします。 次に反対の腕と脚で同じように対角に伸ばします。 (6)床みがき運動 基本姿勢で、手を置いている位置で床に手をつけたまま円を描くように手を動かします。 肩や肩甲骨がひっかかるほど、上げる必要はありません。 内側に回したら、次には外側にも回すようにします。 (7)肩甲骨を上げる 基本姿勢から、両足でバランスをとりながら、両方の手のひらを内側に向け、天井にゆっくり引き上げます。 脊柱と頭はストレッチポールにつけたままで、肩甲骨が天井に向かうように手を引き上げます。 そこからゆっくり肩甲骨を戻し、手を下ろしていきます。 ゆっくり5回くらい繰り返します。 (8)腕の外転運動 基本姿勢から、両腕をいったんストレッチポールに近づけ、そこから腕を外転させていきます。 力を抜いて、ゆっくり行います。 できるだけ床から手が離れないようにしますが、無理をする必要はありません。 腕が肩の高さまできたら、手のひらを返して上を向くようにします。 このあたりから肩甲骨が動き始めるので脊柱に違和感を覚えることがありますが、できるだけリラックスして行います。 完全に頭の上まで上げていきますが、肩関節がかたく、手が床から離れてしまうこともあります。 辛い場合は、肘から腕を曲げ、ストレッチポールを触るようにしてもかまいません。 そのあと、ゆっくり同じルートで元に戻します。 違和感のある角度で、動きを止めて静的なストレッチを行うのも効果的。 (9)足のワイパー運動 基本姿勢から、両足を左右にゆっくり広げ、つま先が外側から内側に、内側から外側にと自動車のワイパーのように動かします。 10回くらい繰り返します。 (10)膝を開きながら引き上げ 両足を左右にゆっくり広げた姿勢から、膝が外に大きく開くように、足を床につけたまま、引きずり上げるように10cmほどお尻のほうに近づけて戻します。 10回くらい繰り返します。 (11)小さな揺らぎ運動 基本姿勢から、ストレッチポールを少しだけ転がすようにします。 背骨からストレッチポールを外して、脊柱起立筋の山を少しだけ越えるような感じ。 手や足を床につけて落ちないようにバランスをとりながら、体重で脊柱起立筋をマッサージするようなイメージ。 落ちないように気をつけて、逆方向にも行います。 慣れてくると、左右に揺れるような動きになり、さらにはもっと大きな動きにも発展することができます。 (12)背中の状態のチェック ゆっくりストレッチポールから降りて、床に背臥位になり、再びチェックします。 「背中が床に沈み込む」「接地面積が広がった」「浮いていた腰がついている」「肩甲骨と床との接触が気になったが、それがなくなった」などの感想が聞かれます。 |